当教室の歴史は、昭和20年10月、血清学の第一人者であった東京大学医学部助教授緒方富雄先生の特別講義を行ったことから始まります。昭和23年には、故鈴木鑑先生が血清学担当教官として細菌学教室の助教授に就任し、全国の医学部に先駆けて血清学の講義を開始しました。鈴木先生は、昭和30年、当時の東京医科大学病院中央検査部の主任昇進後も、同検査部にて血清学の基礎研究を続けられました。医学部における免疫血清学の認知度や重要性が高まるなか、昭和40年に細菌学教室助教諭として赴任された故鈴田達男先生が、昭和46年に細菌学教室から独立、翌々年昭和48年、初代主任教授として血清学教室を開講されました。翌年、教室を東大久保キャンパスに移転させた後も、免疫学の先駆けとなる血清学講義や関節リウマチを中心とした自己免疫疾患などの研究に精力的に取り組まれました。平成4年、国立予防衛生研究所から招かれた水口純一郎先生(現名誉教授)が二代目主任教授に就任し、翌年血清学教室から免疫学講座へと改名したことにより、名実ともに免疫学の研究・講義を担う講座が誕生しました。以降20年にわたり一貫して分子生物学をとりいれた免疫学研究を進めてきましたが、その間、平成25年の大学改変と共に、教室も現在の免疫学分野へと変わります。平成27年、横須賀忠が理化学研究所より三代目主任教授に就任し、分子生物学にイメージングを取り入れた新しい免疫学教室に変わりつつあるところです。