当教室では、獲得免疫系の中心的役割を果たすT細胞とB細胞のシグナル伝達研究に関して、生化学的手法、細胞生物学的手法、分子生物学的手法、イメージング技術などを駆使し、一分子からマウス固体までの幅広い研究を行っています。また、トランスレーショナルリサーチの分野では、免疫チェックポイント分子や高分子ポリマーを用いたナノ粒子を抗癌治療に用いる試みを、ヒト化マウス等を用いながら進めています。
CD3ζ鎖に緑色タンパク質EGFPを付加し、抗原提示が可能な人工脂質二重膜上でのTCR/CD3複合体の挙動を超解像顕微鏡N-SIMで観察した。1つ1つの輝点は、TCR/CD3複合体が20-30個程度集まったものであり、T細胞活性化のシグナルユニットとして機能する。B細胞やNK細胞、NKT細胞などの抗原認識受容体をもつ免疫細胞に共通した機構であり、我々は「マイクロクラスター」と名付けて継続的研究を行っている。